会計ソフト経理・法律に関する情報減価償却の基礎知識(平成23年度税制改正対応)

誰もが苦手な減価償却

減価償却という言葉は経理用語であり新聞の経済記事でよく見かける言葉です。なんとなくわかった気になっている減価償却ですが、経営者の方に減価償却って何ですか、とお聞きして正しい説明のできる方は極少数というのが現実です。

正しく理解するには多少の面倒を伴う減価償却ですが、現代の会計の損益計算の考え方が端的に現れた項目であり、個人事業主の所得税、会社の法人税などの税金の金額にも大きく影響する項目なので、経営者の方の基礎知識として是非ここで正しく理解をしてください。

全額費用計上から生じる問題

ある会社が営業に使う普通自動車を数台購入したケースを想定しましょう。車両の購入金額は総額で600万円(現金払い)、経営者は使い潰す予定で購入しました。

購入した自動車を、コピー機のトナー、ボールペンなど(事務用消耗品)と同じく扱うのなら、現金で購入した日に600万円全額を一度に費用(=経費)計上することになります。多額の利益が出ている会社は別として、600万円もする自動車を購入した日に全額を一度に費用として処理するなどしたら、多くの会社では間違いなく大赤字の原因となってしまいます。

さらに、実際には、翌期以降も購入年度と何ら変わることなく自動車は会社の事業活動に使用できているにもかかわらず、購入年度に600万円全額を費用計上してしまったため、次期以降は費用が0円となり、多額の利益が計上されることになります。

経営者の損益感覚に合う減価償却

経営の視点からすれば、仮に自動車を購入した期と翌期以降の売上高、諸費用が同額であるとしたなら、各期の利益(又は損失)も同額であることが違和感のない経営者感覚に合致した損益計算と言えるでしょう。

では、どのように自動車を経理処理すれば、違和感のない損益計算となるのでしょうか?答えは簡単で、自動車の購入金額を購入年度に全額費用として計上するのではなく、利用する期間(年数)にわたり、毎期の損益計算書の費用へ配分をしていくことです。

本ケースで仮に利用可能期間を6年(現実には遥かに長い期間利用できますが)とすれば、各期へ100万円(600万円÷6年)を配分し、損益計算書の費用として計上することになります。

「購入金額の600万円を一度に費用計上することなく、100万円づつ6年間にわたり費用として計上する」ことで、毎期計上される費用のバランスがとれることになり、経営者の経営実感に即した違和感の無い損益計算書が作成できます。

このように購入金額の600万円を、購入年度に全額費用計上するのではなく、その自動車の利用可能期間である6年間へ費用として配分していく考え方を減価償却といいます。

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