会計ソフト経理・法律に関する情報減価償却の基礎知識(平成23年度税制改正対応)

固定資産の実務

会社が自動車を一台でも保有していれば、固定資産管理が必要となります。実務では、固定資産の管理には固定資産台帳を使用するのが一般的と言えます。

1.固定資産台帳とは

固定資産台帳とは、固定資産・繰延資産を、その取得から減価償却費計算、そして、売却や除却といった顛末に至るまで、その経緯を個別資産ごとに管理する帳簿のことです。

「ピクシスのわくわく財務会計(以下「わくわく財務会計」)」は、固定資産台帳を装備しており、市販の固定資産台帳にはない機能を有しています。

2.固定資産台帳の管理項目

市販されている固定資産台帳では、個々の資産について一般に次のような項目を管理します。

(1)資産の種類

減価償却資産の耐用年数は資産の種類別に決められています。そのため、資産を次の種類に区分して登録し、耐用年数の決定へとつなげます。
わくわく財務会計では選択式で簡単に登録できます。

土地(減価償却資産しない資産=非償却資産)、建物及び付属設備、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、無形固定資産、生物、電話加入権、その他

(2)資産の名称

資産の名称は、他の資産と区別し易い名称とするのがいいでしょう。例えば付属設備なら、「A付属設備」、「B付属設備」のように固有名詞にすると管理しやすくなります。

(3)取得年月

固定資産の取得年月日です。

(4)取得価格

固定資産が機械である場合、その設置にかかる費用や試運転費など、固定資産を業務で使用できる状態にするまでにかかった費用は、経費として処理するのではなく、固定資産の取得価格に含めることになります。

(5)減価償却方法

200%定率法、定額法などの減価償却方法を選択します。
税法が原則とする個人事業者の減価償却方法は定額法、法人の減価償却方法は定率法です。原則以外の償却方法を採用したい場合、所轄税務署へ所定の届出をする必要があります。

(6)耐用年数

通常は法定の耐用年数を使用します。

(7)償却率

減価償却方法と耐用年数が決まれば、償却率が求まります。
わくわく財務会計では、システムが自動計算します。

(8)減価償却費

減価償却方法と償却率から減価償却費を計算します。

わくわく財務会計では、減価償却費(償却限度額)をシステムが瞬時に自動計算します。限度額いっぱい減価償却費を計上するか、その一部を計上するかの調整も簡単にできます。

減価償却費を振替伝票に仕訳(入力)することで、損益計算書の費用に計上されるとともに、貸借対照表の該当資産から減価償却費相当額が減額されて帳簿価額が修正されます。

(9)減価償却累計額

過年度(これまで)において減価償却費として計上した金額の合計額です。

(10)帳簿価額

帳簿価額は、「取得価格−過年度における減価償却費の合計金額」となります。
わくわく財務会計では、システムが自動計算します。

3. わくわく財務会計の固定資産管理の特徴

(1)固定資産の維持管理、再調達に便利な機能

資産のメーカー名称や購入先名称などの項目が登録・管理できるため、資産の維持管理や再調達に便利です。

(2)固定資産税への対応

固定資産には地方税である固定資産税(償却資産税)の課税対象となる資産があります。わくわく財務会計では、資産登録の際に「対象となる・ならない」を選択するだけで、以後の管理が自動的に行われます。

4.購入から除却・売却までの仕訳

(1)取得時

応接セット50万円を現金で買った。

【仕訳】 備品  500,000   現金  500,000  

(2)期末決算時の処理(減価償却費の計上)

応接セットにつき耐用年数8年、200%定率法、償却率0.250により償却を行う。なお、応接セットの購入は10月3日で直ちに事業に使用した。当社の決算日は3月末日(決算は年1回)。

【仕訳】直接法 減価償却費 62,500 (注) 備品  62,500  
【仕訳】間接法 減価償却費 62,500   減価償却累計額 62,500  

(注)減価償却費は月数割で計算し、一月に満たない端数は一月とします。
減価償却費=500,000×0.250×6ヶ月/12ヶ月

(3)除却、売却

@除却

当期に応接セットを除却した。これまでの減価償却費の累計(合計)額は171,875円である。

【仕訳】直接法 備品除却損 328,125   備品  328,125 (注1)
【仕訳】間接法 減価償却累計額 171,875 (注2)  備品 500,000 (注3)
  備品除却損   328,125          

(注1) 除却年度の応接セットの帳簿価格328,125(500,000−171,875)が損失となります。
(注2) 間接法では、これまでの減価償却費の累計額171,875円が「減価償却累計額」として記帳されています。
(注3) 間接法のため、備品勘定は取得価額500,000円のままです。

A売却

当期に応接セットを10万円で売却し、代金は翌期の受け取りとした。これまでの減価償却費の累計(合計)額は171,875円である。

【仕訳】直接法 備品売却損 228,125 (注) 備品 328,125  
  未収金 100,000          
【仕訳】間接法 減価償却累計額 171,875   備品 500,000  
  備品売却損 228,125          
  未収金 100,000          

(注) 売却年度の応接セットの帳簿価格328,125(500,000−171,875)から売却金額100,000円を控除した残額の228,125円が売却損失となります。

(4)資本的支出

本日、古くなった一枚サッシを二重サッシへと交換した。交換費用の総額は250万円で代金は来月の末日払いとした。なお、従来のサッシと同機能同品質のサッシへの交換の場合なら交換費用総額は180万円とのことであった。

【仕訳】 修繕費 1,800,000 (注1)  未払金  2,500,000  
  建物 700,000 (注2)        

(注1) 同機能同品質への交換費用1,800,000円は、修繕費として交換年度の費用となります。
(注2) 700,000円(250万円−180万円)部分は、二重サッシとしての機能品質向上部分と考えられるため、資本的支出として固定資産に加算処理します。

なお、資本的支出に関する詳細は、「Y.資本的支出とその取り扱い」をご覧ください。

税理士田中先生のワンポイントアドバイス
(経理・法律に関する情報)

少額短期保険と生命保険料控除

(2016年11月29日掲載)

ご存知ですか?この情報
(経理・法律に関する情報)

社長と会社の間での資金貸借に注意
固定資産の評価損の取り扱い

(2016年12月1日掲載)

ページの先頭へ