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買掛帳をつける

女性

買掛帳はちょうど売掛帳の逆になります。売り手と買い手の立場が逆になるだけなので、補助科目の設定や記帳のための操作方法は、「売掛帳」とまったく同じです。売掛帳の「得意先」が買掛帳では「仕入先」となるだけです。

ですからここでは、ソフトの操作の方法は割愛して、具体的な記帳方法から説明をはじめたいと思います。

ところで、サービス業で商品の仕入がなかったり、いつも現金仕入だけで掛けでの仕入がない業種もありますね。そのような事業では「買掛帳」は使いません。ソフトの機能としてあるからといって、必ずしも使わなければならないというわけではありませんから、該当する取引がなければこの項目はスキップしていただいてかまいません。

では、まず仕入のお話からはじめます。

仕入先から掛け(ツケ)で商品を買ったら、納品日(または請求日)の日付で次のように記帳します。

【仕訳例29】仕入のときの記帳

日付/番号
コード
相手科目
摘要
仕入
支払
H28/11/2
2220
仕入高 商品仕入
  8,640
 
買掛
29
 
       

相手科目は、「仕入高」、そして金額は仕入側に入力します。買掛金の残高は、仕入先に対する「債務」つまり支払わなければならない義務の額ということになります。

締め日の買掛帳の残高を見れば、仕入先から来た請求書の金額と一致しているはずです。支払日までに金額を確認し、支払いに充てる資金の用意をします。

では、支払日にはどのように記帳すればよいでしょう。

まずは一番シンプルな現金支払いの例からお話しします。

【仕訳例30】掛け仕入の代金を現金で支払った。

日付/番号
コード
相手科目
摘要
仕入
支払
H28/11/21
1000
現金 仕入代金支払
  
 8,640
買掛
30
 
       

現金を銀行に持ち込んで支払った場合も同様です。

【仕訳例31】東京商事から商品54,000円を仕入れた。

日付/番号
コード
相手科目
摘要
仕入
支払
H28/11/2
2220
仕入高 商品仕入
 54,000
 
買掛
31
 
       

上記の代金を銀行口座から振込で支払った場合は相手科目が「普通預金」に変わります。実はこの取引は以前に預金出納帳【仕訳例8】でお話ししました。あらためて買掛帳側から同じ取引を見ると次のようになります。

【仕訳例8】普通預金から支払った。

日付/番号
コード
相手科目
摘要
預入
引出
H28/11/22
1020
普通預金 仕入代金
  
 54,000
預金
8
0002
いろは銀行(出)      

振込手数料が自己負担であれば、振込手数料の記帳も忘れずに行わなければなりません。ただし、この記帳は「買掛帳」からは行えません。自己負担の振込手数料の分は仕入先への債務には計上されていないからです。

この取引も実は「預金出納帳」から次のように入力されています。(現金で振り込んだ場合は、「現金出納帳」から同様に入力します。)

【仕訳例9】振込手数料が引き落とされた。
(※この取引は買掛帳からは見られません。預金出納帳で確認してください。)

日付/番号
コード
相手科目
摘要
預入
引出
H28/11/22
2503
支払手数料 振込手数料
  
 432
預金
9
 
       

しかし、振込手数料が相手先負担であれば、ちょっと話が違ってきます。

【仕訳例32】大阪商事から商品32,400円を仕入れた。

日付/番号
コード
相手科目
摘要
仕入
支払
H28/11/2
2220
仕入高 商品仕入
 32,400
 
買掛
32
 
       

例えば上記の代金を振込手数料相手先負担で支払うと、実際に振り込む額は支払代金から手数料を差し引いた額になります。

【仕訳例10】手数料相手先負担で普通預金から支払った。

日付/番号
コード
相手科目
摘要
預入
引出
H28/11/22
1020
普通預金 仕入代金支払
  
 32,076
預金
10
0002
いろは銀行(出)      

振込手数料は、振り込んだ側が支払いますから、それを当方が立替えたとみなして支払額から天引きするというわけです。この場合は、差し引いた手数料は「買掛帳」から記帳できます。

【仕訳例11】手数料分を計上した。

日付/番号
コード
相手科目
摘要
預入
引出
H28/11/22
1020
普通預金 先方負担の振込手数料
  
 324
預金
11
0002
いろは銀行(出)      

あれ?それでは、この振込手数料には「支払手数料」という勘定科目は使われないのでしょうか?そう疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

「支払手数料」とはつまり「経費」です。相手先負担の手数料は相手の経費となります。つまりこの場合は「支払手数料」勘定は、取引相手の帳簿に現れる勘定なのですね。そのため自分側の帳簿には経費としては計上されません。相手先が負担しているのですから、そういうことになります。

どうでしょう?支払の記帳が終わったら、残高が減っているのがわかります。支払いによって債務(支払い義務)が減ったことをあらわしています。

支払いは毎月一定の日に銀行でまとめて行う企業が多いので、そのような場合は、「買掛帳」と「仕入帳」を次のように使い分けると事務が効率よくできます。

  1. 仕入の計上は「買掛帳」から、納品や請求の時点で入力する。
  2. 支払いしたら「預金出納帳」から、その日の支払分を記帳する。
  3. (2)の記帳が終わったら、「買掛帳」で各々の残高を確認する。

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