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2003年5月掲載

中小企業少額資産即時償却制度と固定資産税の関係

固定資産税の償却資産の対象として、中小企業少額資産即時償却制度の対象資産が該当するのかしないのか、迷われている企業も多いでしょう。

地方税法では、固定資産税の償却資産の対象から除かれる資産とは、「法人税法又は所得税法の規定」により、取得価額の全部又は一部が損金等に算入される資産とされています。

よって、平成15年度改正で導入された「中小企業少額資産即時償却制度」が、「法人税法又は所得税法の規定」により実施されるのであれば、固定資産税の償却資産から除かれることになります。
ところが、現時点では本制度が「法人税法又は所得税法の規定」によらずに、租税特別措置法により実施されることが確実とされており、そうであるなら「中小企業少額資産即時償却制度」の対象資産は「固定資産税の課税対象とされる」ことになります。

税理士 田中利征

労働保険概算保険料申告を忘れずに

会社は、平成14年4月1日から平成15年3月31日迄の期間の賃金総額を集計し、その賃金総額に対する労働保険料を計算して、「労働保険 概算・確定保険料申告書」を作成し5月20日迄に事業所の住所地を管轄する労働基準監督署へ提出します。

本申告書による労働保険料の計算は(1)昨年度申告した概算保険料に対する確定計算と(2)本年度の賃金総額の見込額に対する概算保険料の計算、の2つの手続きからなります。

(1)の確定保険料計算の結果生じた昨年度申告した概算保険料との差額は(2)で計算した概算保険料の納付額に加算(不足の場合)又は減算(超過の場合)することで調整するのが通常です。

また、労働保険料の納付に関しては、労働保険(労災・雇用)の概算保険料が40万円未満の場合は5月20日迄に一括払いとなり、40万円以上の場合は年3回に分けて分納できます。(納付期限→5月20日・9月1日・12月1日)

社会保険労務士 佐田 昌宣 plusone@peach.plala.or.jp

ご存知ですか?平成15.4.1施行の改正商法

ここ数年の商法改正は正に画期的なものです。以下に平成15年4月施行となるものをあげてみました。自社に関連するものがあるか検討してみてください。

「重要財産委員会」の導入(商法特例法1条の3〜1条の5)

重要財産委員会とは、取締役会に代わって意思決定を行う機関をいい、商法260条 2項 1号(重要財産の処分・譲受)及び 2号(多額の借財)所定の事項についての決定を委ねることが可能となりました。

■要件

  1. 対象会社は(1)大会社(資本の額が 5億円以上又は負債の合計金額が200億円以上の株式会社)または(2)「みなし大会社(後述「みなし大会社」参照)」
  2. (1)取締役の数が10人以上であり、 (2)取締役のうち 1人以上が社外取締役

「委員会等設置会社」の導入(商法特例法21条の5〜21条の39)

「委員会等設置会社」とは、大会社または「みなし大会社」であって、定款に定めることにより、監査役制度を廃止し、取締役会が経営を監督するというアメリカ型の制度を可能にするものです。

この制度を導入した場合は、経営と執行の分離が行われ、取締役会は監査機能を中心とし、執行役が業務執行を担うことになります。

■要件

  1. 各委員会の設置
    (1)指名委員会 (2)監査委員会 (3)報酬委員会の 3つの委員会を設置すること。
  2. 各委員会の委員数
    各委員会の委員数は3名以上で、その過半数は、社外取締役であって執行役でないものがなる。
  3. 執行役と代表執行役の設置(※監査役は設置しない)

「みなし大会社」(商法特例法2条2項)

中会社(大会社を除く資本金1億円超の株式会社)は会計監査人の監査を受ける旨を定款に定めることが可能となりました。中会社で定款に会計監査人の監査を受けることを規定した会社は「みなし大会社」と呼ばれます。「みなし大会社」の会計監査の対象は、大会社(株式会社で資本の額が 5億円以上又は負債の合計金額が200億円以上)と同様の書類となります。

「みなし大会社」では、

  1. 「重要財産委員会」の導入(商法特例法1条の3〜1条の5)
  2. 「委員会等設置会社」の導入(商法特例法21条の5〜21条の39)

を含む商法特例法上の特例を受けることが可能となりました。(商法特例法2条2項)。

■要件

  1. 資本金1億円超の会社で大会社以外の会社
  2. 定款に商法特例法の適用を受ける旨を定める

会社における連結計算書類の作成(商法特例法19条の2)

大会社の取締役は、連結決算書類の作成を義務づけられました。(商法特例法19条の2)

また、会計監査人や監査役は、連結子会社に対して報告請求や財産状況を調査する権限を与えられました。(商法特例法7条、19条の3)

現物出資・財産引受等の財産価格証明制度の拡充(商法173条2項、3項ほか)

弁護士、弁護士法人の証明を受ける他、公認会計士、監査法人、税理士等の証明を受ければ検査役の調査を不要にすることが可能となりました。(商法173条2項、3項など)

端株・単元未満株の買い増し制度の創設(商法220条の7、221条の2)

定款において、端株や単元未満株式を有する株主が会社から端株等を売り渡してもらい、1株または1単元の株主となることを請求できる制度、を定めることが可能となりました。(商法220条の7、221条の2)

株主総会招集手続の簡素化等(商法236条、253条、232条1項但書)

  1. 議決権を有する全株主の同意があれば、株主総会の招集手続を省略することができます。(商法236条)
  2. 全株主が書面で提案に同意すれば、株主総会での決議があったものとみなされます。(商法253条)
  3. 株式譲渡制限のある会社では、定款で総会の招集期間を1週間に短縮できます。(商法232条1項但書)

株主総会特別決議の定足数緩和(商法343条)

株主総会の特別決議のための定足数が、定款の定めにより3分の1にまで緩和可能となりました。(商法343条)

取締役の報酬規制(商法269条1項、269条2項)

取締役の報酬について、定款に定めない限り、(1)不確定金額の場合は具体的な算出方法を、(2)金銭以外の報酬の場合は具体的内容について、株主総会の決議が必要とされました(商法269条1項)。

また、前期の(1)(2)にあたる取締役は、報酬を相当とする理由を株主総会で開示することが必要となります(商法269条2項)。

譲渡制限会社の種類株主による取締役等の選解任制度の創設(商法222条の2、257条の2ほか)

譲渡制限のある会社では、種類株主総会において取締役等の選解任について種類株式を発行することが可能となりました。(商法222条の2、商法257条の2ほか)

計算関係規則の省令への委任(商法285条、商法281条、商法290条等)

計算書類における財産等の評価方法等については、法務省令で定めることとされました。

資本減少手続等の合理化(商法375条、商法376条、商法289条)

株主総会の特別決議と債権者保護手続の対象となる事項は、資本減少する額、払い戻しをするときはその必要額、消却をするときは株式の種類・数・方法・必要額、資本欠損の填補に充てるときはその額とする。

法定準備金の減少手続についても同じ。

所在不明株主の株式売却制度の創設(商法224条の4他)

株券失効制度の創設(商法230条の2)

税理士 田中利征

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