2004年2月掲載
「LLC」/新たな法人組織?
1.LLCとは
LLCは、米国の組織形態の一つで、組織の内部の関係を定款で自由に定めることができ、対外的には全構成員の有限責任が確保されるという特徴をあわせ持った「有限責任の人的法人」制度のことです。
米国以外の諸外国でも、LLCに類似した制度の整備・利用が進んでいます。
2.日本では
我が国でも2003年11月、経済産業省が、日本版LLC(Limited Liability Company(有限責任の人的会社制度))の創設に向けた報告書「人的資産を活用する新しい組織形態に関する提案−日本版LLC制度の創設に向けて−」を取りまとめています。
報告書では、日本の会社制度においてはLLCのような会社制度が用意されていないため、事業を行う上での選択肢を増やして人材集約型企業の振興や創業を促す観点から、株式会社などと並ぶ新しい会社制度としてLLC制度を創設するように提言しており、創設の方向で法令の改正も進んでいくようです。
税理士 田中利征
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平成16年度税制改正案の概要
平成16年度税制改正案の概要(法人税制と中小企業関係税制)は次のとおりです。
〔法人税制〕
- 欠損金の繰越期間の延長
- 欠損金の繰越期間を5年から7年に延長する。
(注)上記の改正は、平成13年4月1日以後に開始した事業年度において生じた欠損金額について適用する。 - 上記に併せ、法人税に係る帳簿書類の保存期間及び除斥期間を延長する。
- 欠損金の繰越期間を5年から7年に延長する。
- 連結付加税を期限どおり廃止する。
〔中小企業関係税制〕
- 非上場株式の譲渡益に対する税率を20%(所得税15%・住民税5%)に引き下げる。
- エンジェル税制について、適用対象となる特定中小会社の範囲に一定のグリーンシート銘柄会社や一定のベンチャーファンドを通じて投資される会社を追加する等制度を拡充する。
- 相続税の課税価格の特例の対象となる中小同族株式等の価額の上限を10億円(現行3億円)に引き上げる。
- 相続により取得した非上場株式を相続税納付のためにその発行会社に譲渡した場合について、みなし配当課税を行わず譲渡益課税の対象とする。
税理士 田中利征
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配偶者特別控除は大丈夫?
平成15年度の税制改正により配偶者特別控除の一部が廃止になりました。この一部廃止の内容に関しては誤解が多いようなので、本稿で今一度正しく理解しておきましょう。
1 配偶者特別控除とは
納税者に生計を一にする配偶者がいる場合に、配偶者控除とは別に一定の金額の所得控除が受けられます。これを配偶者特別控除といいます。
2 配偶者特別控除の一部廃止
平成15年度の税制改正により、配偶者特別控除のうち控除対象配偶者(合計所得金額38万円以下の配偶者)について配偶者控除に上乗せして適用される部分(下記3の表「(1)控除対象配偶者に当たる場合」の部分)は廃止となりました。
(注)この改正は平成16年分以後の所得税について適用されます。
3 配偶者特別控除の控除額
配偶者特別控除額は最高で38万円です。
ただし、配偶者に所得がある場合には、その合計所得金額に応じて控除額を調整するしくみになっています。
配偶者の合計所得金額に応じた控除額は、次の表のようになっています。
(1) 控除対象配偶者に当たる場合(平成16年分から廃止)
| 配偶者の合計所得金額 | 配偶者特別控除の額 |
|---|---|
| 5万円未満 | 38万円 |
| 5万円以上 10万円未満 | 33万円 |
| 10万円以上 15万円未満 | 28万円 |
| 15万円以上 20万円未満 | 23万円 |
| 20万円以上 25万円未満 | 18万円 |
| 25万円以上 30万円未満 | 13万円 |
| 30万円以上 35万円未満 | 8万円 |
| 35万円以上 38万円未満 | 3万円 |
| 38万円 | 0円 |
(2) 控除対象配偶者に当たらない場合
配偶者の合計所得金額 |
配偶者特別控除の額 |
|---|---|
| 38万円を超え40万円未満 | 38万円 |
| 40万円以上 45万円未満 | 36万円 |
| 45万円以上 50万円未満 | 31万円 |
| 50万円以上 55万円未満 | 26万円 |
| 55万円以上 60万円未満 | 21万円 |
| 60万円以上 65万円未満 | 16万円 |
| 65万円以上 70万円未満 | 11万円 |
| 70万円以上 75万円未満 | 6万円 |
| 75万円以上 76万円未満 | 3万円 |
| 76万円以上 | 0円 |
税理士 田中利征
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