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2006年7月掲載

「中小企業におけるディスクロージャーの捉え方」

2006年5月から新会社法が施行され、中小企業においてもディスクロージャー(情報公開)の重要性が広く認識されるようになってきました。

ディスクロージャーとは、内部にある情報を外部へ開示することを言います。特に経営用語として使う場合は、企業経営内容の外部への公開という意味になります。

上場企業には、有価証券報告書によるディスクロージャー義務がありますが、中小企業では新会社法以上の情報開示義務はなく、「ディスクロージャー=決算書の外部公開」と理解しても問題はないでしょう。

ディスクロージャーの方法は、官報、日刊紙への掲載または電磁的方法による情報公開がありますが、どの方法によるかの選択は、会社の情報開示姿勢とも密接に関連してきます。

会社が、コンプライアンスの一つとして消極的に情報公開を捉えているのなら、あまり取引先企業などが目にしない官報での決算公開が選択されるでしょう。他方、自社の経営状況を積極的に外部へアピールし、新たな商談や取引先の開拓につなげようと考えているのなら、自社のHPでの決算公開も検討されるでしょう。

税理士 田中利征

「実質債務超過」とは

決算書の貸借対照表は、会社の財政状態を表示しています。貸借対照表の構成は、左側に「資産」、右側に「負債」と「資本(純資産)」が配置されています。資本は「資産−負債」であり、会社の正味財産(純資産)ともいわれます。

赤字会社とは、会社設立時点の資本金が損なわれている状態の会社で、通常は「純資産<資本金」の状態にあり、損失額は純資産と資本金の差額に相当します。赤字は、銀行からの融資では不利な材料となりますが、融資の可能性がゼロというものでもありません。

融資を受けられない会社は、債務超過会社です。債務超過とは「資産<負債」の状態にある会社をいいます。「資産<負債」とは、全財産を換金して負債の返済にあててもなお負債が残る状態をいいます。債務超過=経営破綻状態と表現できるでしょう。

一見すると債務超過でない会社であっても、資産の中にある売掛金や貸付金が不良債権となっていて、それらの資産を適正に評価すると、債務超過となる会社もあります。こうした状態を「実質債務超過」といいます。「実質債務超過」の状態にある会社の融資も、また厳しいのは言うまでもありません。

税理士 田中利征

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