2006年11月掲載
税務署へ提出する「法人事業概況説明書」とは
平成18年度税制改正で、従来は任意での提出となっていた法人事業概況説明書が、法人の提出する確定申告書への添付書類となりました。つまり、これまでの任意から義務へと大きく変わったのです。
法人事業概況説明書への記入事項及び記入方法については、国税庁の公表している「法人課税関係の申請・届出等の様式の一部改正について」で詳しく書かれています。
記載事項としては、現に営んでいる事業、海外取引の有無とその内容、現金の管理者、電子計算機の活用、さらには、代表者に対する「報酬」、「貸付金」など非常に多岐に及んでいます。
小規模零細企業がこれらの記載事項を全て正確に記入するとなると、大変な作業を要することになると思われます。間違った数値を記入してあらぬ誤解をうけたくないと考えたら、一部の事項を未記入のままで提出する会社も多く出るのではないでしょうか。
税理士 田中利征
法人は融資に有利
事業組織の形態は、大きく法人と個人に分けることができます。新規に事業を始める場合には、法人形態を採ると会社設立に際して登記の手間やお金がかかるので、個人形態でスタートする方も多いのです。
確かに個人でお手軽に起業には魅力がありますが、いずれは必要となる銀行などからの融資を考えると、法人での起業が絶対におすすめです。
理由は、中小企業が融資を受ける場合、ビジネスローンが選択肢の一つになりますが、ビジネスローンの多くが、「法人であること」を融資要件(申込み)にあげているからです。
さらに、ビジネスローン申込み要件には法人としての業暦もあげられており、多くの場合2、3年程度の業暦が求められるようです。
個人形態での事業経営は融資の選択肢を狭めるものであり、「いざ資金が必要」という時に本当に困る事態になりかねません。現在個人事業を営まれている方は、早急な法人化を真剣に検討してください。幸いなことに新会社法の下で法人設立が以前に比してとても簡単になっているのですから。
税理士 田中利征
![[会計ソフト]経理・法律に関する情報 ご存知ですか?この情報](images/bi-title.png)