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2007年3月掲載

会計参与がもたらす赤字決算?

会計参与は、中小企業が計算書類の作成に当たり拠ることが望ましい会計処理を示す「中小企業の会計に関する指針」(以下「指針」)、に従い計算書類を作成します。

減価償却費の計上においては、指針では、正規の減価償却(正しい減価償却費計算のこと)として、税法上の減価償却によることも認めています。そのため、多くの企業が通常は税法基準で減価償却を行うことになります。

法人税法では、毎期税法基準で計算した減価償却費を償却費の上限としており、その額以下での償却費の計上は、法人の任意として認めています。そこで、この任意償却の規定を利用し、決算での減価償却費を調整することで赤字決算を回避してきました。

しかし、「会計参与」を導入した企業では、減価償却費を調整することが出来なくなります。理由は、会計参与は指針に基づいて計算書類の作成を要求されており、その指針は、赤字決算を回避するための減価償却費の調整を認めていないからです。

決算の信頼性を高めるための会計参与の導入が、場合によっては赤字決算へと繋がり、会社の業績評価をさげる恐れがあることも十分に理解してください。

税理士 田中利征

保証付融資のこれからは?

中小企業向けの信用保証制度が本年(平成19年)10月以降縮小されます。

具体的には、信用保証協会の保証付融資について、本年(平成19年)10月以降の契約分から、民間金融機関が貸倒損失額の20%を負担することになるのです。

現状の信用保証協会の保証付融資は、万が一貸し倒れが生じても信用保証協会が代わりに金融機関へ返済を行う(代位弁済という)ため、100%金融機関に損失は発生しない制度なのです。

そのため、信用保証協会の保証がとれたら、金融機関は限りなく無審査に近い状態で企業への融資を行ってきたのです。100%金融機関に損失は発生しない仕組みなら、審査にコストと時間をかけること自体が馬鹿馬鹿しいわけです。

しかし、10月以降は民間金融機関が貸倒損失額の20%を負担するとなれば、事情は一変します。民間金融機関にとって20%負担は非常に大きな問題であり、中小企業向けの融資にも多大な影響が予想されます。

つまり、新たな制度の下では信用保証協会の保証がとれても、民間金融機関の審査は厳しくなり、融資に慎重となるでしょう。 そこで、万が一融資が通らない場合を想定して、取引金融機関を複数にしておくことが絶対に必要となります。

税理士 田中利征

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