2007年9月掲載
厚生年金保険料率の引上げ
厚生年金の保険料率が9月分から0.354%引き上げられ、現行の14.642%から14.996%へと増額されます。
保険料額引上げの参考例 |
|||
|---|---|---|---|
標準報酬 |
8月分まで |
9月分から |
上昇額 |
20万円 |
29,284円 |
29,992円 |
708円 |
30万円 |
43,926円 |
44,988円 |
1,062円 |
50万円 |
73,210円 |
74,980円 |
1,770円 |
※上記の保険料額は労使双方の負担分を合算したものです。
月々の給与から控除する厚生年金保険料は、法令により前月分と定められています。
そのため、保険料率の変更は9月分からですが、実務の上では10月からが本番で、10月以降に支給する給与から保険料の変更が必要となります。
厚生年金の保険料率引き上げは毎年0.354%ずつ行われ、約18%になるまで続く予定となっており、今後も長期にわたり給与所得者の負担が増すことになります。
税理士 田中利征
分社化はいいこと?
子会社や関係会社をもつ中小企業はたくさんあります。例えば事業を複数有する会社では、中核事業以外の事業について一事業で一法人とするために会社を設立し、複数の子会社を有することもよくあります。
分社などして複数の会社に分割すると、分割前の会社の所得(利益)は複数の会社へと分散することになります。そのため、分社後の各会社が軽減税率の適用を受けるなどして節税効果が高まるのが一般的です。
また、税法上損金(経費)として認められる交際費には限度がありますが、会社の数が増えれば、その増えた分限度も広がることになります。
さらに、連結納税を選択すれば、ある子会社の赤字を他のグループ会社の黒字と通算して、納税額を減額することも可能となります。
以上見てきたとおり、単に税制面だけで考えるのなら、分社化には一応のメリットもあるわけです。
税理士 田中利征
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