2007年10月掲載
社員教育費と税金
企業は人なり、と言われます。そこで多くの会社では、より優秀な人材を育成しようと社員教育に年々相当なお金をかけることになります。会社の損益計算書の販管費にある「教育研修費」や「育成費」といった科目は、社員を成長させるための企業努力の現れと言えます。
ところで税法では、企業の継続した社員教育を支援するために租税特別措置法第42の12で「教育訓練費の額が増加した場合の法人税額の特別控除」を設けていますが、本法は意外と中小企業に知られていないようです。そこで、次で簡単にその内容をご紹介しておきます。
- 資本の額が1億円未満の法人等
- 教育訓練費増加額が40%以上の場合
当期教育訓練費の20%の税額控除 - 教育訓練費増加額が40%未満の場合
当期教育訓練費×教育訓練費増加率×50%の税額控除
- 教育訓練費増加額が40%以上の場合
- 資本の額が1億円超の法人等
- その超える部分の金額の25%相当額の税額控除
- その超える部分の金額の25%相当額の税額控除
税理士 田中利征
登録型派遣は将来禁止に?
労働者派遣は、1999年及び2004年の2度の法改正により自由化が進み現在の状況となりました。自由化の影響について連合は、人材派遣会社が求職者を登録して仕事先に派遣する登録型派遣において「雇用の安定、能力開発、社会保険の加入等の面で多く問題が生じている」などと指摘しています。
そこで連合は先に中央執行委員会を開き、労働者派遣法の見直しに関する考え方を確認し、派遣会社の多くが採る登録型派遣を原則禁止する方針を打ち出したのです。
こうした連合の動きがありながらも、人件費の変動費化を実現できる人材派遣は、企業にとってはコスト面で非常に魅力があるため、企業規模を問わず多くの企業で派遣労働が不可欠となっているのです。
今現在、人材派遣は企業経営に必須の労働力となっており、こうした派遣の実状を考えると、連合の唱える「登録型派遣の禁止」実現は、かなり困難なものと言えるでしょう。
税理士 田中利征
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