2009年5月掲載
「期限の利益」とは
通常の借入は金銭消費貸借契約と呼ばれ、借入金額を3年、5年といった期間で毎月決められた日に元金と利息をあわせて分割返済していきます。
借入金の返済を月々の分割返済とすることができるため、会社は借入金を運転資金や設備資金へと充てて事業を成長させ、毎月獲得する利益(資金)の一部を分割返済資金へまわす、といった資金繰りが成り立つわけです。
借入金を直ちに全額返済することを求められることなく、長期間にわたって毎月決められた日(=約定日)に分割で返済していけるのは、金融機関が毎月おとずれる返済日(返済期限)まで返済を待ってくれるからです。
このように毎月訪れる返済期限まで返済する必要のないメリットは、「期限の利益」と呼ばれます。
「期限の利益」について、一般の金銭消費貸借契約書では、返済が1日でも遅延したら銀行の請求によりこの期限の利益を喪失する、という条文があるはずです。
そのため、銀行が決断すれば、借入残額の全額を直ちに返済しなければならなくなります。
もっとも、1日返済が遅れただけで、銀行がすぐに厳しい措置をとることはまずしないでしょうが。
税理士 田中利征
融資と連帯保証人
「連帯保証人になって欲しい」と言われたら、あなたはどうしますか?
こうしたお願いをしてくる人は、平素の付き合いにおいて親しい方や何らかの義理のある方が多いでしょう。直ぐに断ることは難しいケースが殆どだと思います。会社を経営していると連帯保証人という言葉は融資とセットになって出てきます。
融資に際しては、代表者本人が連帯保証人になることが一番多く、さらに連帯保証人が必要なら家族役員がなるのが一般的と言えます。
多くの中小企業で利用されている信用保証協会保証付融資にあっては、原則として代表者本人だけが連帯保証人となります。
中小企業では、「銀行から追加の連帯保証人を要求されたので頼むよ。」と親族以外の役員が、社長から連帯保証人になるように求められることがあります。
複数の連帯保証人をしかも家族以外で要求される会社は、銀行がかなり危険な会社と判断しているのが普通です。
こうしたケースで連帯保証人になるかどうかは、慎重の上にも慎重にお決め下さい。
連帯保証人は財産のある方がいいと言われる方がいます。
銀行が保証人を要求するのは、債務者(借入会社)が、保証人に迷惑をかけてはいけないと考え完済に対する責任感を強くもつことを期待してのことです。
よって、債務者の返済不能時に保証人から融資額を回収する目的で保証人を要求しているわけではないので、とりたてて財産のある方でなくても問題はありません。
税理士 田中利征
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