2010年1月掲載
事務所の間借りは危険?
創業の時点では売上もまだ少ないため、無駄な経費は使わない、と支出の削減に努める会社も多いでしょう。特に、事務所関連の支出は金額が大きくなるため、立ち上げ当初は、知り合いの会社の事務所を無料で間借りすることは珍しくありません。
この間借りですが、実は大きな問題が3つあります。まず1つは、その事務所の契約が転貸借禁止とされていれば、事務所のオーナーから、事務所の契約者である知り合いの会社が、契約違反であるとの指摘を受ける可能性があります。
次は、無料の間借のために経理資料に支払家賃が計上されず、融資に際しては活動実態の無いペーパーカンパニーである、と判断される可能性がある点です。ペーパーカンパニーであると見なされたなら、融資を受けることは難しくなります。
最後は、間借りしたスペースに見合う家賃が、知り合いの会社から間借りしている会社へと寄付されたものであると、国税サイドから判断を受ける可能性があります。その場合、税務処理としては、知り合いの会社の税務申告において、無償で貸したスペースに見合う適正な家賃を収入として計上することが求められます。すると、知り合いの会社の利益は増えることになり、増税となってしまいます。
税理士 田中利征
金融機関での情報交換はどうなっているの?
−日本政策金融公庫・民間銀行・信用保証協会の情報交換−
金融機関相互の情報交換の有無をまとめると次のようになります。
- 日本政策金融公庫⇔民間の銀行や信用金庫
情報のやりとりはありません。 - 日本政策金融公庫⇔信用保証協会
情報のやりとりはありません。 - 民間の金融機関⇔信用保証協会
民間の金融機関は、信用保証協会に対し、どこの銀行でどれだけの保証を行っているか、頻繁に照会を入れています。
なお、直接の情報交換はなくても、例えば日本政策金融公庫からの融資に際して、先方の要求に従い銀行通帳を提出すれば、その記録から融資取引のある金融機関が分かってしまう可能性はあります。
税理士 田中利征
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