2010年2月掲載
個人年金保険を活用した相続税の節税が困難に!
相続税の節税策として、生命保険の活用はよく採られる手法ですが、平成22年度税制改正大綱(以下「大綱」)で「定期金に関する権利の評価の見直し」があげられ、個人年金保険などを活用した相続税の節税策に、待ったのかかることが確実となりました。
大綱によれば、給付事由が発生している定期金に関する権利の評価額は、次の3つの方法で計算した金額のうち、いずれか多い金額とされます。
(A)解約返戻金相当額
(B)定期金に代えて一時金の給付を受けることができる場合には一時金相当額
(C)予定利率等を基に算出した金額
また、給付事由が発生していない定期金に関する権利の評価額は、原則として解約返戻金相当額とされます。
新たな評価の方法によれば、その評価額は現行の評価額の何倍にもなるため、今後は生命保険を利用した相続税の節税も難しくなるでしょう。
税理士 田中利征
拡大される生命保険料控除の上限額
平成22年度税制改正で、所得税の生命保険料控除の大幅な見直しがされます。生命保険料控除とは、個人が一般生命保険料または個人年金保険料を支払った場合に、一定額の所得控除が受けられる制度で、現在の控除額の上限は、各5万円、合計で最高10万円とされています。
平成22年度税制改正大綱では、一般生命保険料控除および個人年金保険料控除とは別枠で「介護医療保険料控除」を新設するとしています。各保険料控除の適用限度(上限)額は4万円とし、合計での上限額は12万円となります。
この改正は、平成24年1月1日以後に締結する保険契約(新契約)に基づく保険料から適用が開始となります。そのため、平成23年12月31日以前に締結した保険契約(旧契約)にもとづく保険料については、現行の各5万円の控除額が上限となります。
税理士 田中利征
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