2010年11月掲載
平成23年度税制改正の検討課題(税調総会より)
10月6日、平成23年度第3回税制調査会総会(会長:野田一夫蔵相)が開催され、平成23年度税制改正の実質審議がスタートしました。本総会で取り上げられた本年度税制改正の検討課題のうち、主なものは以下のとおりです。
個人所得課税
税率構造の改革、給与所得控除の見直し、成年扶養控除や配偶者控除の見直し、いわゆるオーナー会社に関わる「二重控除」問題、金融証券税制など。
法人課税
「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」の税制関連部分として、法人実効税率の引下げにつき、課税のベース拡大等による財源確保と併せ、平成23年度予算編成・税制改正作業のなかで結論を出す。
資産課税
格差是正の観点から相続税の課税ベース、税率構造の見直し等。
税理士 田中利征
「みなし取得費の特例」の廃止間近
株式売却の「みなし取得費の特例」が、本年12月31日で期限切れ、廃止となります。「みなし取得費の特例」とは、上場株式の譲渡損益計算に必要な取得費が不明な場合、平成13年10月1日の終値に80%を掛けた額を「みなし取得費」として申告できる制度です。
上場株式等の売却益について、平成15年度税制改正で現在の「申告分離課税」に一本化されたのですが、相続等で取得し、あるいは古い時代に購入した株式の取得費を調べることは事実上不可能な状態にありました。そこで、不明な株式の取得費を算定する方法として、「みなし取得費の特例」が設けられたのです。
来年以降に取得費不明な株式を売却した時の取得費は、「売却代金の5%」で計算することとされているため、年内に「取得費の特例」を使うことで節税効果が期待できるかどうか、今一度比較検討しておく必要があります。
税理士 田中利征
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