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2011年7月掲載

「平成23年度税制改正」が可決・成立しました。

今国会に提出済みの税制改正法案から、成立させる部分のみを切り出した「現下の厳しい経済状況・雇用情勢に対応した税制整備法案」が6月22日の参議院本会議で上程され、賛成多数で可決・成立しました。

税制改正法案の修正により、成立した項目と先送りされた項目は次のとおりです。

成立した項目

  • 従業員を増やした企業への雇用促進税制
  • 認定NPOへ寄付した場合の優遇税制
  • 証券優遇税制
    軽減税率10%の2年延長。
  • 航空機燃料税の税率引下げ
  • 租税特別措置
    来年3月まで延長。海外みやげのたばこや酒の税金の軽減、住宅購入時の登録免許税の軽減など。
  • 年金所得者の申告不要制度の創設

先送りとされた項目

  • 法人実効税率の5%引下げ
  • 所得税、相続税の増税
  • 生前贈与の優遇拡大
    孫も対象とされる。
  • 温暖化対策税(環境税)の導入
  • 納税者権利憲章の策定

税理士 田中利征


源泉所得税の納付を忘れると.....

源泉所得税とは役員報酬や給料から天引きした所得税のことです。また、税理士や弁護士などの顧問料から天引きした所得税も含まれます。天引きした源泉所得税は、原則として徴収した月の翌月10日までに納付します。ただし、常時雇用する従業員数が10人未満であれば年2回の納付ですませることのできる特例納付が認められています。

特例納付では、1月から6月分を7月10日までに、7月から12月分を翌年1月10日(特例の特例の場合は1月20日)までに納付することになります。実務では、多くの小規模会社がこの特例納付を選択して事務負担を軽減していますが、半年に一度の納付となるために、ついうっかり納付を忘れてしまうこともあるようです。

納付しないまま納期限を過ぎてしまうと、不納付加算税と延滞税というペナルティが課されることになります。不納付加算税の税率は、単純な納付忘れで遅れたような場合は、本来納める税額に対して5%の税率で課税されます。ただし、税務調査等により不納付が明らかとなった場合は、10%の税率で課税されます。

延滞税は、年利14.6%で計算されますが、納期限から2月以内に納付した場合に限り「公定歩合+4%」で計算されます。

税理士 田中利征

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