2013年11月掲載
「NISA」は株式投資の節税策?
平成15年に導入された投資に対する優遇税率10%も年内で終了となり、平成26年1月からは本則の20%(他に復興特別所得税0.315%)の税率に戻ります。そこで、株式投資の節税として一部の投資家は「NISA」に注目しているようです。
1.「NISA」とは
「NISA」(少額投資非課税制度)とは、株式投資信託・上場株式の譲渡所得・配当所得が非課税となる新たな税制優遇制度です。具体的には証券会社等でNISA専用の口座を開設し、取引を行うことになります。
2.非課税の制限
もっとも、無制限に非課税というわけではなく、次のとおり制限がかけられています。
- 購入金額の制限
株式等の購入金額が年間を通じて100万円までとされています。
年間100万円の非課税枠は平成26年から平成35年までの10年間、毎年設定されます。 - 保有期間の制限
購入年から5年間以内に売却した場合のみ非課税とされています。
3.上手な活用法
非課税期間の5年目が到来したら、そのまま翌年の非課税枠に移しかえることで非課税期間を延長させることも可能です。魅力ある株で長期保有を希望するなら「5年経ったら移しかえて元本計500万を10年間非課税にする」こともできるわけです。
税理士 田中利征
「NISA」のメリットとデメリットとは
メリット
- 非課税期間中は売却益が非課税
- 非課税期間終了時の含み益は、その後売却した時に非課税となる
- 500万円の投資資金の運用が非課税
投資金額は年間で見れば100万円に過ぎませんが、5年間でみれば500万円のまとまった資金運用となります。
デメリット
- 非課税期間終了時の含み損は、その後売却した時には課税される
70万で購入した株式が非課税期間終了時に50万になっていた場合、最初から50万で購入したものとみなされます。その後70万円で売却した場合、税金は含み損20万円(70万−50万)に対してかかることになります。 - NISAでの売却損を他の口座の売却益と相殺する損益通算はできない
- 損失の繰越控除ができない
税理士 田中利征
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