廃止となるか、「配偶者控除(扶養控除)」
1.「配偶者控除」の問題点
配偶者控除は、妻の収入がパートの場合であれば年間103万円以下の場合に適用されます。配偶者控除の適用を受けられた夫は、38万円の所得控除が与えられます。
夫の年間の所得が38万円減れば、万円単位で税金は安くなります。
一方で妻の収入が103万円を超えれば配偶者控除の適用は無くなります。そのため、年103万円を超えてまで妻は働くことをしなくなり、女性の労働時間に税制面から制限が加わることになります。これがいわゆる「103万円の壁」問題と呼ばれるものです。
2.「配偶者控除」の廃止
専業主婦を優遇し過ぎている、働く女性の意欲を阻害しているとの批判がある配偶者控除は、政府の意向もあり最短で2017年より廃止されることが検討されています。
「配偶者控除」を廃止して終わりとなると、専業主婦世帯やパート主婦世帯にとっては増税となってしまいます。そのため、廃止と同時に新たな所得控除である「夫婦控除」が設定される見込みです。
税理士 田中利征