電子的提出の一元化で国税と地方税の強まる連携
平成29年度から、地方税ポータルシステム(eLTAX)とe-Taxの連携がさらに進められています。具体的には、地方税ポータルシステム(eLTAX)を使用して、給与支払報告書のe-Taxデータを作成して市区町村へ提出するする際、同時に、税務署へ提出する源泉徴収票のe-Taxデータも作成・提出できるというものです。
用紙に作成して書面提出する場合は、社員の住む市区町村に給与支払報告書を提出するとともに、ほほ同じ事項を記載する源泉徴収票を受給者本人へ交付し、必要な分は税務署へも提出していました。
従来のオンラインによる処理でも、書面提出する場合と手順・手間に大きな違いはなく、給与データは市町村と税務署へそれぞれ提出していました。さらに、電子送信の際は、国と地方それぞれの提出先用に別なソフトを利用してデータを作成・送信するため、事務負担の多い非常に面倒なシステムとなっていました。
なお、電子的提出の一元化は、あくまでもオンラインにより給与支払報告書を作成・提出する場合のシステムであり、これまでのように光ディスク、書面などで提出する場合は、市町村と税務署へそれぞれ提出する必要があり、この点は従来と変わりがありません。
税理士 田中利征