海外不動産に相続メリットはあるのか
国内で不動産を購入する方の多くは、相続税におけるメリット(節税)を購入目的の一つとされています。そのため、海外に不動産を購入される場合も、国内不動産の購入のような相続税の節税につながるのか、という点はたいへん気になるところでしょう。
不動産の購入が相続税の節税に繋がる仕組みは、不動産の時価と相続税評価額に大きな乖離があるからです。土地の相続税評価額は、一般には路線価を用いて算定し、建物の相続税評価額は、固定資産税評価額を用いて算定します。算定される不動産の相続税評価額は、時価(市場価格)よりも極めて低額な金額となり、時価と相続税評価額の差額が相続税の節税につながるわけです。
ところで、海外に所有する不動産の相続税評価額については、原則として、「時価」による評価となります。そのため、日本にある不動産のように時価と相続税評価額の乖離を源泉とした相続税の節税は難しくなります。
税理士 田中利征