経理・法律に関する情報
税理士田中先生のワンポイントアドバイス
免税店で売上アップ経営者保証なしで融資を実現する「経営者保証に関するガイドライン」
(2025年10月31日掲載)
ご存知ですか?この情報
投資口座と外国税額控除の関係資本金を増資する
(2025年10月31日掲載)
2025年8月掲載
外貨建取引を行った際に適用する換算レートは、法人税法上、取引を行った際のレートと定められています。これは「発生時換算法」と呼ばれます。
金融機関のホームページなどを見ると為替レートが表示されています。よくあるのが電信売相場(TTS)と電信買相場(TTB)の2つです。経理で使う為替レートは、電信売相場(TTS)と電信買相場(TTB)の仲値(TTM)を使うのが原則です。TTSとTTBしか表示されていなければ、その平均がTTMです。金融機関によりTTMは異なりますが取引のある金融機関のTTMを使います。
なお、毎日変わる為替レートを調べることからくる事務負担を軽減するため、次のような簡便的処理も認められています。ただし、継続して適用することが条件となります。
決算時の外貨建資産・負債の換算は、「期末換算」と呼ばれ、「期末時換算法」と「発生時換算法」の2種類に分かれます。「期末時換算法」は、取引発生時に換算した外貨建債権債務を、事業年度末の為替レートで再度換算を行う方法です。
税理士 田中利征
発生時と期末時点での為替レートが同じでない限り換算方法が違えば評価額に差異が生じます。期末に保有する短期外貨建債権が10,000ドルあり、発生時レートが145円/ドル、期末時のレートが150円/ドルと円安が進んでいたら、「期末時換算法」による場合は、債権の円換算額は1,450,000円から1,500,000円へと大きくなり、差額の50,000円は為替差益として課税対象となります。多額な海外取引のある企業で「期末時換算法」を適用した場合、期末にかけて円安が大きく進むと予想外の為替差益が生じることになります。
「発生時換算法」と「期末時換算法」、どちらの換算方法によるかの選択が認められている資産もありますが、外国通貨の換算方法は期末時換算法と指定されており、選択の余地はありません。他方で外貨建有価証券や外貨預金などは、一定の条件のもと、換算方法を所轄の税務署長へ届出ることで選択できる場合もあります。届け出をしなければ法定換算法に従うことになります。
「発生時換算法」と「期末時換算法」、どちらの換算方法によるかで利益が違ってきます。外国通貨の換算方法は期末時換算法と指定されており、選択の余地はありませんが、外貨建有価証券や外貨預金などは、一定の条件のもと、換算方法を所轄の税務署長へ届出ることで選択できる場合もあります。届け出をしなければ法定換算法に従うことになります。
なお、為替差益は消費税の課税対象とされず、不課税として扱われます。
税理士 田中利征
(2025年10月31日掲載)
(2025年10月31日掲載)