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税理士田中先生のワンポイントアドバイス
経営者も加入できる「小規模企業共済」税金の還付と税務調査
(2026年3月31日掲載)
ご存知ですか?この情報
暫定予算で税制改正法案への影響は青色事業専従者のパート勤務は問題ないのか
(2026年3月31日掲載)
2026年4月掲載
政府は、令和8年度当初予算の年度内成立が困難な情勢から、2026年3月、11年ぶりとなる暫定予算の編成を決定しました。
暫定予算とは、新年度が始まる4月1日までに「本予算(当初予算)」が成立しない場合に、政治の空白や行政のストップを防ぐために、一定期間の必要最低限の経費を確保する目的で編成される「つなぎ」の予算をいいます。今回の暫定予算では、国民生活への影響を抑えるため、高校無償化などの事業継続に必要な経費も計上される見込みです。
暫定予算が組まれるとなると気になるのが、並行して審議されている税制改正関連法案の取り扱いです。いわゆる「年収の壁」の見直し(基礎控除の引き上げ等)や法人税における設備投資促進や賃上げ税制の拡充などの重要改正項目があるため、税制改正がどうなるのか注目が集まっています。
政府は、予算案とは別に、減税措置の期限切れを防ぐため、税制改正法案のみを3月末までに先行して成立させる方向で、現在のところ与野党間の調整を進めています。改正項目の多くが2026年4月以降に順次施行されますが、法案の不成立や遅延となった場合は、自動車関連税制、軽油引取税、賃上げ促進税制などに影響が生じ、実質増税となったり投資判断などに影響が出ます。
2025年12月に政府・与党と国民民主党が合意した「178万円への引き上げ」も実施されず「103万円の壁」が維持されることになります。実務では、例えば給与計算ソフトで改正対応版の源泉徴収税額表が適用されないことになるため、給与計算ソフトの運用に影響の出る可能性があります。
税理士 田中利征
ご主人が事業主で、その仕事を手伝う奥様が青色専従者給与をもらっているケースは多いでしょう。家族従業員への給与の支払いは、原則、経費としては認められません。ただし、例外として事前に青色事業専従者給与に関する届出書を提出すれば、事業に専ら従事している家族従業者へ支払った給与について、届け出た金額の範囲内で経費として認めましょう、というのがが青色事業専従者給与です。「事業に専ら従事している」とされているため、奥様がパート勤務に出たら事業専従者として認められないのではないか、ここは気になる点です。
「事業に専ら従事している」という言葉の意味は、「100%ご主人がされている仕事だけに従事している状況でなければならない」という意味ではありません。 そのため、パート勤務のように他に職業があったとしても、その職業に従事する時間が短いなど、ご主人の事業に専ら従事することを妨げない程度の勤務状態であるなら、「事業に専ら従事している」と判断されて問題とはなりません。悩ましい点は、「一日何時間以内ならOK」といった具体的な時間が明らかにされていない点です。
税務調査があるとパート勤務の内容・状況について細かく質問され、専従者に該当しない、と判断されてしまうこともありえます。一般的には、パートでの仕事が週20時間程度以内で、事業主であるご主人の仕事に支障をきたさないのであれば認められる可能性はあります。
税務署から否認されるリスクを避けるためには、ご主人の事業の内容、奥様がしている仕事の内容、専従者給与の額などを税務署に伝え、その見解を確認しておくのが無難と言えます。
税理士 田中利征
(2026年3月31日掲載)
(2026年3月31日掲載)