経理・法律に関する情報
税理士田中先生のワンポイントアドバイス
特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律定款の「目的」にない事業はできないのか?
(2024年9月30日掲載)
ご存知ですか?この情報
年末調整とスケジュール年末調整で行う定額減税(年調減税)とは
(2024年9月30日掲載)
2024年10月掲載
毎月支払われる給料や賞与から源泉徴収された所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」)は、年間を通して毎月の給与の額に変動がないことを前提にして計算されていますが、実際は年の中途で給与の額が変わることは普通にあるため、毎月源泉徴収されて納税した所得税等の年間合計額は、正しい所得税等の年税額とはなりません。
また、生命保険料や地震保険料に加入していれば支払った保険料は所得税等を減らす要素になりますが、毎月徴収される源泉徴収所得税等の計算では考慮されていないため、毎月源泉徴収されて納税した所得税等の年間合計額は、正しい所得税等の年税額とはなりません。
あるいは、子供が生まれて年の中途で控除対象となる扶養親族の数が増えた場合、その後に支払う給与から源泉徴収する所得税等を変更するだけで、年初に遡って既に源泉徴収した税額を修正することはしないため、毎月源泉徴収されて納税した所得税等の年間合計額は、正しい所得税等の年税額とはなりません。
上記のような理由に起因し、毎月徴収されてきた所得税等は正しい税額ではないため、1年間の給与総額が確定する年末にその年に納めるべき正しい所得税等を計算し、これまでその年に徴収してきた所得税等との過不足額を求め、その差額を徴収又は還付し精算する必要があります。この税額精算の手続が「年末調整」です。
会社により年末調整のスケジュールは異なりますが、概ね以下のような流れです。
会社から年末調整に必要な各種書類(給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、令和6年分 給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書兼所得金額調整控除申告書など)が従業員へ配布されます。
従業員は、自分に必要となる書類へ記入を済ませ、添付の必要となる証明書類(生命保険料の控除証明書他)と一緒に会社へ提出します。
会社では、従業員からが提出された各種書類をもとに年末調整を行い、所得税等の税額の超過額(還付)、不足額(徴収)の計算を進めます。
年末調整により計算された超過額(還付)又は不足額(徴収)が、給与、賞与の支給額に反映されるタイミングは、通常12月か翌年1月(多い)となります。
税理士 田中利征
令和6年の税制改正により、令和6年度分の所得税の特別控除「定額減税」が実施されています。定額減税には「月次減税」と「年調減税」の2つがあり、「月次減税」はご存知のとおり既に6月以降に支払われる給与から減税が行われています。
「年調減税」とは年末調整時の定額減税のことで、年末調整の対象者が受けられる減税制度となり、その概要は次のとおりです。
原則として年末調整の対象となる人です。年末調整の対象とならない従業員(給与収入2,000万円以上など)は、年調減税の対象外となります。
年調減税の流れは次のとおりです。
年調減税の対象者となる従業員について、年調減税額の計算に必要な「同一生計配偶者」と「扶養親族」の人数を確認し、一人当たり3万円で年調減税額を計算します。
従業員に妻(同一生計配偶者)と15歳の子供(16歳未満の扶養親族)一人の場合
年調減税9万円=3万円(本人分)+3万円(妻)+3万円(子)=9万円
従業員の年調所得税額(年末調整で計算された年間の所得税額)を計算します。
年調所得税額は、所得税額で復興特別所得税は除外します。また、住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合は、本控金額を差し引いた後の税額となります。
年調減税額を年調所得税額から控除します。
税理士 田中利征
(2024年9月30日掲載)
(2024年9月30日掲載)