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令和7年度税制改正大綱 1/2(法人課税)

自民、公明両党は20日、2025年度与党税制改正大綱を決定しました。本稿では、法人課税の改正ポイントを解説します。

1.法人税の軽減税率の特例延長

中小企業者等に適用される法人税の軽減税率の特例について、適用期限が2年間延長されます。ただし、所得金額が年10億円を超える事業年度については、所得金額のうち年800万円以下の部分に適用される税率が現行の15%から17%へ引き上げられます。

2.防衛特別法人税の創設

日本の防衛力を強化するため、大企業を対象にして法人税額の4%を上乗せする「防衛特別法人税」が新たに創設されます。

ただし、中小企業に対しては、500万円以下の法人税額には適用されません。

適用は、令和8年4月1日以降に開始する事業年度からとなります。

3.オペレーティング・リース取引の損金算入時期を明確化

リース契約に基づき法人が支払う金額のうち、その事業年度において「債務が確定した部分」の金額を、その確定日の属する事業年度の損金として計上することができます。

ただし、1.売上原価や工事原価に算入すべき費用、2.固定資産取得価額に含めるべき費用、3.繰延資産となる費用、は除外されます。

4.所有権移転外リースの減価償却方法の見直し

令和9年4月1日以降に締結される所有権移転外リース取引において、リース資産の減価償却方法としてリース期間定額法を採る場合、取得価額に含まれる残価保証額を控除せず、リース期間終了時点で備忘価額(1円など)まで償却できます。

なお、令和9年3月31日までに締結された契約で、取得価額に残価保証額が含まれるリース資産は、令和7年4月1日以後開始事業年度において、新しいリース期間定額法による償却方法が認められます。

税理士 田中利征

令和7年度税制改正大綱 2/2(個人所得課税)

自民、公明両党は20日、2025年度与党税制改正大綱を決定しました。本稿では、個人所得課税の改正ポイントを解説します。

1.所得税の基礎控除額の引き上げ

合計所得金額が2,350万円以下の個人については、所得税の基礎控除額が現行の48万円から58万円へと10万円引き上げられます。

本改正は、 令和7年分以降の所得税から適用されます。

2.給与所得控除の見直し

最低控除額を現行の55万円から65万円へと引き上げます。令和7年分以降の所得税から適用されます。

なお、地方税における給与所得控除についても、最低保障額が現行の55万円から65万円へと引き上げられます。

3.特定親族特別控除の新設

19〜22歳の子を扶養する親らの税負担を軽くする特定扶養控除が見直され、控除の対象となる子の年収要件が現行の103万円から150万円へと引き上げられます。

150万円を超えた途端に扶養対象外となることを避けるため、新たに「特定親族特別控除」(仮称)が創設され、150万円超から段階的に控除額を減らし、188万円超で控除がなくなります。なお、地方税においても、特定親族特別控除が新設されます。

4.生命保険料控除

新生命保険料に係る生命保険料控除について、扶養親族として23歳未満の子どもがいる場合、居住者が受けられる生命保険料控除の控除額の計算方法が変わります。

旧生命保険料および23歳未満の扶養親族がいる場合に適用される新生命保険料を支払った場合、生命保険料控除の適用限度額が現行の4万円から6万円へと引き上げられます。

なお、生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の合計適用限度額は、現行と変わらず12万円に据置となります。

5.NISA(少額投資非課税制度)の改正

累積投資契約(つみたて投資枠)の対象となる上場株式投資信託に関して、取得対価の上限が引き上げられ、現行で1口当たり1,000円以下とされている上場株式投資信託の取得対価要件が、1万円以下に引き上げられます。

6.iDeCo(個人型確定拠出年金)

拠出限度額の引き上げ、などの改正が行われます。

税理士 田中利征

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